脊柱管狭窄症の治療

渡辺克敬(わたなべ かつゆき)

2016年04月24日 00:02



 背骨は椎骨という骨が積木を積重ねたようになって出来ています。
椎骨には後ろに椎弓と呼ばれる部分があります。
この椎弓はリング状になっています。
このリング状の物が積重なって管を作ります。これが脊柱管です。
脊柱管の中には、脊髄や馬尾という神経が通っています。
通常、脊柱管は脊髄等が収まるのに十分なスペースがあります。
しかし、ヘルニアや加齢変化で脊柱管が狭くなることがあります。
そうすると、脊髄や脊髄から出て足などに行く神経根に触って
刺激を与えます。その刺激する部位によって、
脚や腰に痛みや痺れ筋力低下等の様々な症状が出てきます。

脊柱管狭窄症は基本的には手術をしなければ治りません。
神経の圧迫が強く、歩行障害や激烈な痛みがあれば、
病院では手術を勧めます。しかし、そこまで行かない方は、
日々不快感や痛みに耐えて生活しているかと思います。

 鍼灸治療は脊柱管狭窄症そのものを治すものではありません。
しかし、症状を改善する事は可能です。
症状が出てからどの程度の期間経過しているか。
日常生活への支障がどの程度か、等により効果が
出るまでの期間や効果の程度に差はあります。
数年間、歩行に支障があり、「間歇性跛行」といって、
数分あるいは100メートル程歩くと足腰が痛くなり、
暫く休むとまたあるけるようになる・・・と
いう症状がある患者さんがいました。この方は84才女性です。
週に1回程お灸と鍼による治療を続けた所、
間歇性跛行が改善しました。
この方は、今は朝のウォーキングを行っています。

最近も89歳の女性が治療に来ました。
この方は、間歇性跛行は無く、
左右下肢の痺れと痛みが症状でした。
3回程の鍼で症状は、あまり気にならない程度まで改善しました。
寒い時期に症状が悪化せずに良くなるのは、良い事です。
脊柱管狭窄症で、病院での治療をあまりなさっていない方は、
鍼灸治療も1つの選択肢として有効です。鍼をする部位は、
と下肢・足趾等です。ぜひお試しください。

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