2014年12月16日

骨の折れる話

骨の折れる話
 骨接ぎ、整骨、というのは文字通り骨折した骨を元通りにして治療することです。昔は今ほど整形外科もなく、他の病院も数が多くありませんでした。そこで、転んだり転落したりして骨折をすると、ごく普通に整骨院へ行く、という事もありました。現在は整形外科の数も増え、なんといっても整骨院では扱えないX線が使えるので、骨折すれば整形外科に行くのが当たり前ですね。

 一口に骨折、といっても色々な分類があります。どこの部位をどのように骨折したかによって、治療方針が変わるものです。
まず、大きな分類の1つに、①皮下骨折 ②開放骨折 の2つがあります。これは 別の言葉で ①単純骨折(皮下骨折)②複雑骨折(開放骨折) ともいいます。ところが、ほとんどの人は複雑骨折を、複雑な形に骨折した~というように思っています。実際は骨折線が複雑に入組んでいて多くの骨片があるものは 粉砕骨折といいます。

 皮下骨折というのは骨折部に傷がなく、骨折した骨が外界と接していないものです。開放骨折は骨折部に傷があり、骨折した骨と外界が直接繋がっているものです。骨折部から骨が出ていたり、傷が骨まで至っているものです。開放骨折は感染の危険が高かったり、周囲の組織の損傷が高度なことが多く、治療に様々な注意が必要とされます。患者さんにすれば入院期間が長くなったり、手術の回数が多くなったり、後遺障害の可能性が高くなったりと、良いことはありません。

 圧迫骨折という言葉もよく聞かれると思います。ほとんどは背骨の骨折で、腰椎や胸椎の椎体が上下の椎体に抑え込まれて押し潰されるようにして変形するものです。高齢者では骨が弱いために、尻餅をついただけで圧迫骨折が起こる事があります。症状や人によりかなり違いがあります。尻餅をついた後、まさか骨折したとは思わず、痛みが続くので整形外科へ行ってみたら圧迫骨折が見つかった~という事もあります。高所から飛んで着地の際に背骨に大きな力が加わり圧迫骨折を起こすという事もあります。症状も、強い腰痛から歩行可能な程度の痛みまで様々です。ですから治療も、入院して一定期間安静を保つものから、通院で日常生活が送れるものまで色々です。人によっては、腰痛も消失して、治癒する人もいれば、後遺障害として腰痛が残る人もいます。

 骨折をする人はそうそう多くはないでしょうが、年齢を重ねると骨折の危険が増えてきます。骨を丈夫にすることは重要ですが、骨折しそうになった時に、回避できる筋力や運動能力を維持することが大切です。それはそれ程難しい事ではありません。例えば、歩行中にバランスを崩した時に、さっと足が出るかどうかで転倒するかしないか決まりますし、転倒した時もうまく手が出るかどうかで、怪我の状態も変わります。日々歩いたり、簡単な体操を続ける事で、身体能力の維持向上が可能です。富士市が行っている体操教室や、公民館で行っている多くの運動サークルを調べてみるのもいいかもしれません。年度初めにはそうした資料が各家庭に配られます。
ちょっと気をつけて、そうした小冊子を読んでみると意外な発見があるかもしれません。
自分の身体能力は、出来る範囲で自分で何とかする事が大切です。


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Posted by 渡辺克敬(わたなべ かつゆき) at 23:22│Comments(0)医療・健康
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